介護のニュース

2025.10.21

中山間・人口減少地域で給付に代わる新類型の介護保険事業

厚生労働省は8日に開催された社会保障審議会介護保険部会において、中山間地域や人口減少地域での運用を想定した、介護保険制度の新たな事業創設を提案しました。

利用者の減少によって従来の介護報酬(給付)ベースでは経営が成り立たなくなりつつある過疎地に対し、介護保険財源を活用した全く新しい仕組みを導入しようという動きです。

既存の仕組みでは限界を迎える「人口減少地域」のリアル

現在、介護サービスは「利用者がサービスを利用した分だけ、事業所に介護報酬が支払われる」仕組みが基本となっています。

しかし、中山間地域や過疎化が急激に進む地域では、以下の課題が深刻化しています。

  • サービスの需要そのものが縮小し、事業所の売上が安定しない

  • 移動コスト(送迎や訪問の移動時間)に対して採算が合わない

  • 結果として事業所の撤退が相次ぎ、地域に住む高齢者がサービスを受けられなくなる

このように、従来の出来高払いの仕組みだけでは、地域の介護体制を維持することが極めて困難になっていました。

「給付」から「市町村による委託費」への転換案

そこで厚生労働省が提示したのが、市町村が地域の実情に応じて柔軟に動かせる「給付に代わる新類型の事業」です。

具体例として、以下のような仕組みの創設が検討されています。

  • 事業所への「委託費」の支払い 市町村がサービス提供の対価として、事業者に一定の委託費を直接支払う仕組みです。

これにより、その月の利用者数が一時的に増減したとしても、事業所の経営が左右されにくくなります。過疎地であっても事業所が安定してサービスを提供し続けられる環境を整え、地域住民のセーフティネットを守る狙いがあります。

今後の展望

厚生労働省は、この新たな仕組みの介護保険事業について、今後も議論を深めていく予定です。

公的な介護保険財源の新しい使い道として、過疎地域のインフラ維持に向けた大きな法改正に繋がる可能性があり、自治体や地方の介護事業者にとって今後の動向が注目される重要な提案となっています。

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