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2026.09.07

登録施設介護支援、「囲い込み」の是正措置を組み込む意見

有料老人ホームやサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)における「過剰なケアプランの作成」や「併設サービスへの不適切な囲い込み」。これらを防止するために来年度(2027年度)から新設される「登録施設介護支援」について、具体的な制度設計の議論が動き出しました。

厚生労働省は2026年8月5日、社会保障審議会・介護給付費分科会を開催。登録住宅型有料老人ホーム等の入居者を対象とした新たな相談支援類型「登録施設介護支援」の在り方について、専門家や業界団体を交えた熱い議論が行われました。

制度創設の狙いと、今回の分科会で上がった現場のリアルな声・論点を整理して解説します。

1. そもそも「登録施設介護支援」とは?

登録施設介護支援は、2027年度の改正介護保険法で導入される新しいケアマネジメントの仕組みです。

  • 対象となる方: 「登録」を受けた住宅型有料老人ホームやサ高住などの入居者。

  • 提供されるサービス: 従来の「ケアプラン作成(居宅介護支援)」に加え、施設内での「地域生活相談」を一体的に提供します。

  • 利用者負担の導入: 従来のケアプラン作成は全額介護保険から給付(自己負担0円)でしたが、登録施設介護支援では原則1割の自己負担が求められる方向で議論されています。

国としては、この仕組みを導入することで、併設事業所へのサービスの「囲い込み」や過剰なサービス提供を防ぎ、ケアマネジメントの中立性・独立性を確保すると同時に、介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)との制度面・費用面の不均衡を解消する狙いがあります。

2. 委員からは「囲い込み是正への厳格化」を求める声が噴出

今回の分科会において、多くの委員から強く主張されたのが囲い込み対策の徹底です。

  • 自立支援に逆行するリスクを懸念: 「囲い込みによって不要な介護サービスが上限まで組み込まれ、結果として入居者の自立支援に逆行している」といった厳しい意見が相次ぎました。

  • 実効性のあるルールの策定を要求: 形式だけの登録制度にするのではなく、併設サービスばかりを利用させるような不適切な運営に対しては、登録の取消や報酬の減算など、実効性の高い是正措置を盛り込むべきだという声が強く上がっています。

3. 「生活相談などの業務増加」に対する報酬面での配慮を求める意見も

一方で、現場の運営や事業者の立場からは、実務上の負担増に対する配慮を求める声も提示されました。

  • 新たな業務「地域生活相談」の発生: 単にケアプランを作るだけでなく、施設内での生活相談や地域との連携といった新たな業務が一体的に義務付けられるため、その手間や人件費に見合った評価が必要です。

  • 適切な報酬体系の設定が不可欠: 「業務範囲が広がるにもかかわらず、報酬が低く抑えられれば事業者の経営やケアマネジャーの配置が立ち行かなくなる」として、新設される基本報酬や加算の設計において、現場の実態や負担をしっかり考慮するよう求める意見が出されました。

まとめ:年内の「報酬単価・基準決定」に向けて議論が加速

来年度(2027年4月)のスタートに向け、厚労省は年内をめどに「人員配置基準」や「報酬単価」、「手続きの具体的ルール」を取りまとめる予定です。

囲い込みに対する厳しいチェック体制が構築される一方で、施設側には「生活相談」を含む新たなケアマネジメント体制の構築と、利用者への「1割負担」に関する丁寧な説明が求められることになります。

事業所の経営戦略やケアマネジャーの配置に直結する重要な改定となるため、秋以降に示される具体的な報酬案の動向から目が離せません。

※本記事は2026年8月5日の社会保障審議会・介護給付費分科会の議論をもとにした、2026年9月時点の情報です。登録施設介護支援は制度設計の途中で、対象となる施設の範囲、人員配置基準、報酬単価、利用者負担の割合はいずれもまだ決まっていません。利用者負担については、費用の9割を介護保険から給付する案が示されている段階です。確定した内容は今後の分科会資料と省令でご確認ください。

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