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通所、入所サービスの令和9年度法改正に向けた議論

2024年の介護報酬改定から2年が経過しようとしていますが、国は早くも次の「令和9年度(2027年度)介護報酬改定」に向けた本格的な議論をスタートさせています。
厚生労働省は2026年6月12日、社会保障審議会・介護給付費分科会を開催し、「通所サービス(デイサービス・デイケア)」および「短期入所生活介護(ショートステイ)」における法改正の方向性を提示しました。
今回の議論のキーワードは、現場の悲鳴とも言える「事務負担の軽減」と、制度の本来の目的に立ち返る「役割の適正化」です。事業所運営に直結する2つの重要論点を分かりやすく解説します。
1. 通所サービス:算定率の低い「お荷物加算」の廃止・見直しへ
現在の介護報酬体系は、加算の種類が多すぎて「利用者にとって分かりにくく、事業者にとっては請求事務が複雑すぎる」という重大な課題を抱えています。
今回の分科会では、利用者の分かりやすさと事業者の事務負担を減らすため、実態としてほとんど算定されていない(算定率の低い)加算の整理・統合が提案されました。
見直しの対象として挙げられた具体的な加算:
認知症短期集中リハビリテーション実施加算
生活行為向上リハビリテーション実施加算
延長加算 など
これからの方向性: これらをただ廃止するのではなく、リハビリテーションの実際の実施内容や、マネジメントの状況(PDCAサイクルが回っているかなど)をしっかりと評価した上で、よりシンプルで実態に即した提供体制(基本報酬への包括化やシンプルな加算への統合など)へと再編していく方針が示されました。
2. ショートステイ:31日以上の「ロングステイ常態化」についにメス
今回の分科会で、通所以上に大きな波紋を呼んでいるのが、短期入所生活介護(ショートステイ)における「長期利用(ロングステイ)」の問題です。
ショートステイは本来、在宅で暮らす高齢者の「一時的なお泊まり(レスパイトケア)」を目的としたサービスです。しかし、フタを開けてみると深刻な実態が明らかになりました。
利用者の「約3割」が31日以上の長期利用 要介護3以上の重度者を中心に、実質的に特養などの施設入所と同じような感覚で、31日以上の長期にわたってショートステイを利用し続けるケースが全体の約30%を占めており、これが「常態化」していることが問題視されました。
何が議論されるのか? 国としては、本来の「短期利用」という目的に戻すための適正化(長期利用時の報酬の減算強化や、本来の施設入所へのスムーズな移行の促しなど)を検討していく構えです。 また、ショートステイも通所と同様に「加算が多すぎて事務負担が重い」という指摘があり、長期利用の是正と合わせて、加算の簡素化・一本化が話し合われることになります。
まとめ:2027年度改定は「複雑化しすぎた制度の引き算」へ
今回の分科会で示された方向性を見ると、国はこれ以上ルールを細かくして事業所を縛るのではなく、「複雑になりすぎた仕組みをシンプルに戻し、本来の役割分担を明確にする」という引き算の改定を目指していることが伺えます。
特にショートステイの長期利用をメインの収益源としている事業所や、様々な加算を組み合わせてやりくりしている通所事業所にとっては、基本報酬や加算のルールがガラリと変わる可能性があるため、今後の分科会の動向にはいち早くアンテナを張っておく必要があります。
次期改定までまだ時間はありますが、「事務負担軽減」という大義名分の裏で、自社のサービス体制がどう影響を受けるのか、今のうちからシミュレーションを始めておきましょう。
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