介護のニュース

2026.08.06

介護報酬改定:施設経営支援と医療連携の在り方

厚生労働省は9日の社会保障審議会において、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、介護医療院などの介護施設を対象とした次期報酬改定に向けた議論を行いました。

物価高騰に伴う深刻な経営悪化の現実と、医療ニーズの高まりというジレンマに直面する中、今後の持続可能なサービス提供に向けた主な論点が提示されています。

1. コスト増大に直面する現場から「基本報酬引き上げ」の要望が続出

現在、多くの介護施設が電気・ガス代や食材費などの物価高騰による運営コストの増大に苦しんでいます。

一般的な企業のように柔軟な値上げができない仕組みであることから、審議会では現場の代表から「基本報酬の引き上げ」を求める切実な声が相次ぎました。経営環境の悪化を食い止め、サービスを安定継続させるための最優先課題として議論されています。

2. 期限が迫る「協力医療機関との連携義務化」の弾力化要請

介護施設には、地域の病院などの協力医療機関と実効性のある連携体制を構築することが義務付けられていますが、その移行期間(経過措置)の期限が迫っています。

しかし現場からは、地域の医療資源の不足などから「期限内の達成が極めて困難な施設がある」との指摘が上がっています。そのため、以下のような運用の見直しが要請されました。

  • 達成が難しい施設への特例措置の適用

  • 連携ルールの弾力化(柔軟な運用)の容認

3. 介護医療院における機能強化の論点

また、住まいと医療の機能を併せ持つ「介護医療院」においては、さらなる役割の明確化と機能強化が論点となっています。具体的には以下の3つの領域における対応力が注目されています。

  • 看取り(ターミナルケア)の充実

  • 認知症ケアの質の向上

  • 感染症発生時の対応力強化

医療ニーズがますます高まる中で、これらの重要な役割をどのように評価し、体制を整えていくかが焦点です。

今後のスケジュールと見通し

厚生労働省は、施設側の厳しい経営環境というリアルな課題を受け止めつつも、高まる医療ニーズへ対応する責任の重さというジレンマに直面しています。

今後は、協力医療機関との連携義務化に関する経過措置を延長するかどうかも含め、年内の方向性決定に向けて検討を継続するとしています。施設経営の安定と質の高いケアの両立に向け、今後の具体的な着地点が注目されます。

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