お金のこと
介護施設の多床室、8月から月8千円の負担増

介護保険制度の持続可能性と、在宅で暮らす高齢者との負担の公平性を保つため、これまで議論されてきた「施設給付の見直し」がいよいよ具体的な形となって動き出しました。
厚生労働省は2026年6月20日、介護保険最新情報Vol.1397を発出し、高齢者施設の一部の「多床室(相部屋)」に入所している利用者に対し、2026年8月から月額約8,000円の自己負担(居住費)を新たに求めることを正式に通知しました。
「私の施設は対象になる?」「全員が値上げになるの?」といった、現場やご家族が今すぐ押さえるべき重要ポイントを分かりやすく整理します。
1. 今回の改定の概要:日額260円(月額約8,000円)の引き上げ
今回の通知により、対象となる施設の多床室の居住費(基準費用額)が日額260円引き上げられます。
1ヶ月(31日)に換算すると「8,060円」の負担増となり、これまで個室に比べて居住費の負担が低く抑えられていた多床室の費用設計が大きく見直されることになります。
2. 対象となるのは?「施設タイプ」と「床面積」の2つの条件
すべての多床室が一律で値上げになるわけではありません。今回の引き上げには、明確な「施設の種別」と「部屋の広さ」の条件が設定されています。
条件項目 | 対象となる具体的な基準 | |
対象施設 | ・介護老人保健施設(老健)の「その他型」および「療養型」 | ・介護医療院の「II型」 |
部屋の条件 | 入所している療養室の1人当たりの床面積が「8㎡以上」であるケース |
⚠️ 特養(特別養護老人ホーム)は?
今回の介護保険最新情報Vol.1397において、特別養護老人ホーム(特養)の多床室については今回の引き上げの対象外となっています。
3. 弱者救済のための「負担が変わらない措置(対象外となる人)」
月額約8,000円の負担増は、年金暮らしの高齢者世帯にとって決して小さくない金額です。そのため、国は低所得者層に対して「負担額が変わらない(据え置きとなる)特例措置」を設けています。
以下の条件に当てはまる方は、8月以降も現行通りの負担のまま据え置かれます。
生活保護受給者
利用者負担「第1段階」の方
世帯全員が市町村民税非課税である老齢福祉年金の受給者
かつ、預貯金額が単身1,000万円以下(夫婦の場合は2,000万円以下)の利用者
生活を維持するのが困難な層に対してはセーフティネットを敷きつつ、一定の資産や所得がある層に対して公平な負担を求める形をとっています。
まとめ:8月スタートに向けて施設側が取るべき対応
施行は2026年8月1日からと、通知(6月20日)から開始まであまり猶予がありません。
対象となる老健や介護医療院の運営者は、対象となる入所者(床面積8㎡以上の多床室にいる第2〜4段階の利用者)を早急に特定し、ご家族への説明文の発送や同意書の締結、契約書の改定といった猶予のない事務手続きに追われることになります。
「突然知らされてお財布が回らない」といった入所者側とのトラブルを防ぐためにも、施設側からの丁寧で迅速なアナウンスが求められる重要な局面です。
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