施設さがし
要介護認定、申請してから結果が出るまで|「30日以内」と聞いたのに1か月半かかる、が起きる理由

「申請すれば30日くらいで出ますよ」と窓口で言われた。
そう聞いて帰ってきたのに、4週間たっても何も届かない。
その間に本人の状態は少しずつ変わっていく。
問い合わせたら、延期のお知らせが届きますと言われた。
こういうご相談を、季節を問わずいただきます。
待っているあいだ、ご家族は何もできないように感じます。
けれど実際には、待つあいだにできることがいくつもあります。
今回は、申請してから結果が出るまでに何が起きているのかを、順を追って書いてみます。
中で何が動いているかがわかると、待ち時間の受け止め方が変わると思うのです。
申請は、本人が行かなくてもできます
申請の窓口は、お住まいの市町村の介護保険の担当課です。
本人やご家族のほか、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所、介護保険施設が代行できます。
名古屋市の案内でも、いきいき支援センター(同市での地域包括支援センターの呼び名です)や居宅介護支援事業者による代行ができるとされています。
持ち物は、申請書と介護保険の被保険者証が基本です。
親が遠方にいる、平日に動けない。そういうときは、代行できる先があることを思い出してください。
申請のあと、2つの書類が同時に作られています
ここが、外からは見えにくいところです。
申請を受けると、市町村は次の2つを並行して集めはじめます。
【1】認定調査票
市町村の認定調査員が、ご自宅や入院先を訪ねて、心身の状況を聞き取ります。
厚生労働省の認定調査員テキストにもとづく基本調査は74項目で、これに調査員の書く特記事項が付きます。
【2】主治医意見書
かかりつけの医師に、市町村から依頼が出されます。病気やけが、治療の内容、心身の状態を書いてもらう書類です。
結果が遅れるとき、多くはこの2つのどちらかが揃っていません。
とくに主治医意見書は、病院側の事務の流れに乗るため、家族の側からは進み具合が見えません。
コンピュータが出した答えを、人が見直しています
集まった書類は、次の2段階で判定されます。
まず、認定調査の結果をコンピュータにかけた一次判定。全国共通のロジックで、機械的に区分の目安を出します。
そのうえで、介護認定審査会が二次判定を行います。保健・医療・福祉の専門家が市町村の任命で集まる会議体です。
ここで、特記事項と主治医意見書が効いてきます。
たとえば、その場では自分で立てるけれど日によって波がある、といった事情は、数字だけでは拾えません。
その部分を拾うために、人が最後に見直す仕組みになっています。
認定調査のときに「できます」と答えすぎてしまった、と後から悔やまれる方がいます。
できる日とできない日があるなら、そのまま伝えていただいて大丈夫です。それを書き留めるための特記事項です。
「30日以内」の意味と、45日という数字
結果の通知は、原則として申請から30日以内とされています。
ただ、間に合わないときは延期の通知が届きます。
川口市の案内では、延期通知には遅れている理由と処理の見込み期間が書かれ、審査会の日程が決まっていない場合は45日以内に通知する予定とされています。
つまり、30日を過ぎること自体は制度の想定内です。
とはいえ、待っている側には長い。
ですので、1か月を過ぎても何も届かないときは、市町村の担当課に「調査と意見書は揃っていますか」と聞いてみてください。
どちらで止まっているかがわかれば、こちらから動ける場合があります。
結果を待たずにサービスを始められる場合があります
これはあまり知られていないのですが、大事なところです。
新規の申請と区分変更の申請では、認定の効力は申請日にさかのぼります。
熊本県大津町の案内でも、新規・区分変更は申請日にさかのぼって効力が生じる、と明記されています。
そのため、結果が出る前でも、ケアマネジャーが暫定のケアプランを立ててサービスを使いはじめる、という進め方があります。
ただし注意点があります。
想定していた区分より軽い結果が出ると、限度額を超えた分が全額自己負担になります。
使いすぎない範囲で組む必要があるので、必ずケアマネジャーか地域包括支援センターに相談しながら進めてください。
有効期間は、いつまでですか
認定には期限があります。
大津町の案内を例にとると、新規と区分変更は原則6か月(3〜12か月の範囲で設定)、更新は原則12か月(3〜48か月の範囲)となっています。
更新の申請は、満了日の60日前からできます。
状態が変わったときは、期間の途中でも区分変更の申請ができます。
「更新まで待つしかない」と思い込んでしまう方が多いのですが、待つ必要はありません。
急がないほうがいい場合もあります
一方で、申請を急がないほうがよい場面もあります。入院直後で状態が動いている時期です。
退院してしばらく経てば落ち着く方もいますし、逆にリハビリで改善する方もいます。
いちばん悪い時期の状態で調査を受けると、その後の実態と合わなくなることがあります。
病院の医療ソーシャルワーカーや地域包括支援センターに、いつ申請するのがよいかを一度聞いてみるのがよいと思います。
待っているあいだの手は、保険の外にもあります
とはいえ、待てない事情のときもあります。
夜間に何度も起きる。入浴の介助がひとりでは無理になった。仕事を休み続けるわけにもいかない。
認定が出るまでのつなぎとして、介護保険を使わない自費の訪問介護を短期間だけ入れる、という選び方もあります。
保険の枠に縛られないぶん、時間帯や内容の融通がききます。費用は全額自己負担になりますので、期間を区切って使うのが現実的です。
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まとめ
申請から結果までの流れを、もう一度短くまとめます。
【1】申請は代行してもらえる
【2】裏では認定調査票と主治医意見書が同時に作られている
【3】一次判定は機械、二次判定は人。特記事項が効く
【4】30日を超えることは想定内。延期通知が届く
【5】新規・区分変更の効力は申請日にさかのぼる。暫定で使い始められる
【6】状態が変われば、期間の途中でも区分変更を出せる
結果を待つ時間は、何も進んでいないように見えます。でも、動いているのです。
まずは、どこで止まっているのかを一度だけ聞いてみるところから始めてみませんか。
次回は、西三河(豊田・岡崎・安城・刈谷・西尾)で施設をさがすときの考え方を書きます。
よくある質問
Q. 申請に本人の同席は必要ですか。
A. 申請そのものは家族や地域包括支援センター、居宅介護支援事業所が代行できます。ただし認定調査には本人への聞き取りが必要です。
Q. 認定調査に家族が立ち会ってもいいですか。
A. 立ち会っていただいて構いません。普段の様子を補足できるので、できるだけ同席をおすすめします。
Q. 結果に納得できないときは。
A. 区分変更の申請ができます。都道府県の介護保険審査会への審査請求という道もありますが、実務上は区分変更のほうが早いことが多いです。
Q. 認定が出る前に介護保険のサービスを使えますか。
A. 新規・区分変更は申請日にさかのぼって効力が生じるため、暫定のケアプランで使いはじめられます。ただし想定より軽い区分が出た場合、超過分は全額自己負担になります。
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※この記事は2026年9月時点の制度にもとづいています。有効期間の設定や延期の運用、申請の代行先の呼び名は自治体によって異なります。実際の手続きは、お住まいの市町村の窓口でご確認ください。
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