施設さがし

2026.10.12

老健は3か月で出なければいけないのか|「戻るための施設」のしくみと、退所の話が出る前に家族でしておくこと

「老健に入ったら、3か月で出ないといけないんですよね」。

病院から老健をすすめられたご家族から、よくいただく質問です。

せっかく入れたのに、また次を探すのかと思うと、気が重くなりますよね。

私も相談を受けはじめた頃は、「3か月」という数字がどこから来るのか、うまく説明できませんでした。

調べてみると、決まりとして書かれている数字と、現場で言われている数字が、少しずれていました。

今日は、老健がどういう施設なのかと、退所の話が出る前にしておけることを整理してみます。

老健は「住む場所」ではなく「戻るための場所」

老健は、正式には介護老人保健施設といいます。

要介護1以上の方が入所でき、医師や看護職員、リハビリの専門職がいる施設です。

介護保険法では、自宅での生活に戻れるように支援する施設として位置づけられています。

ここが、終の住まいとして入る特養や有料老人ホームとの、いちばん大きな違いです。

「入院と自宅のあいだ」にある施設、と考えると分かりやすいかもしれません。

「3か月で退所」は、法律の決まりではありません

実は、老健の入所期間に、法律で決まった上限はありません。

決まっているのは、自宅に戻れるかどうかを施設の中で定期的に話し合うことです。

自治体の指導の基準では、その検討を「少なくとも3か月ごと」に行い、記録することになっています。

医師や看護職員、介護職員、ケアマネジャーなどが集まって、本人の状態を確かめます。

「3か月」という数字は、この見直しの区切りから来ていると考えられます。

ですから、3か月たったら必ず出される、というものではありません。

ただ、見直しのたびに「次はどうしましょう」と聞かれるのは、ごく自然なことです。

施設によって、退所をすすめる強さが違う

老健には、在宅復帰にどれだけ力を入れているかで、いくつかの区分があります。

【超強化型】【在宅強化型】【加算型】【基本型】【その他型】といった呼び方です。

自宅に戻った人の割合やリハビリの体制などを点数にして、区分が決まります。

在宅復帰に力を入れている施設ほど、早めに退所の話が出やすい傾向があります。

それ自体は悪いことではなく、施設の役割をきちんと果たしているということです。

入所の前に「この施設はどの区分ですか」と聞いておくと、見通しが立てやすくなると思います。

入る前に確かめておきたい、お金と医療のこと

老健には、有料老人ホームのような入居一時金はありません。

毎月の費用は、介護サービス費の自己負担(1〜3割)に、居住費・食費・日常生活費を足したものです。

居住費と食費は、所得によって負担限度額認定の対象になることがあります。

もうひとつ、医療のことも確かめておくと安心です。

老健では、入所中の医療を主に施設の医師が担い、薬代も原則として施設側の費用に含まれます。

そのため、これまでの薬が変わったり、かかりつけ医への通院のしかたが変わったりすることがあります。

飲んでいる薬の一覧を持って、入所前に施設の相談員に聞いてみてください。

退所の話が出る前に、家族で考えておくこと

老健を出たあとの行き先は、大きく分けて3つあります。

【1】自宅に戻り、介護サービスを組み合わせて暮らす

【2】特養など、長く住める施設に移る

【3】有料老人ホームやサ高住に移る

特養の空きを待つあいだ、老健で過ごすご家族は少なくありません。

特養の申し込みは、老健に入所したら早めに出しておくと、選択肢が広がると思います。

自宅に戻る場合は、退所前に施設の職員が家を見に来てくれることがあります。

手すりや段差のことは、そのときに相談しておくと話が早いです。

老健が合わないかもしれない場合

老健は便利な施設ですが、すべての方に合うわけではありません。

【1】リハビリをする意欲や体力が、いまはほとんどない

【2】ずっと同じ場所で暮らしたいという思いが、本人に強い

【3】高額な薬や、専門的な治療を続ける必要がある

こうした場合は、最初から特養や有料老人ホームを探したほうが、本人の負担が少ないこともあります。

病院の相談員に「老健以外の選択肢も聞きたい」と伝えてみてください。

自宅に戻ったあと、毎日の食事をどうするか

老健から自宅に戻ると、介護の手配はケアマネジャーと一緒に考えられます。

けれども、毎日三度の食事の支度は、そのまま家族の側に残ることが多いものです。

施設ではやわらかさや塩分を調整した食事が出ていた、という方もいます。

同じものを家で毎食つくるのは、思っている以上に大変です。

宅配の食事を組み合わせて、無理なく続けているご家庭もあります。

※以下は広告を含みます。

300箇所以上の病院や介護施設でもご利用あり【メディカルフードサービス】

合う合わないはありますので、まずはお試しから様子を見るのが無難だと思います。

まとめ

老健は、自宅に戻るための支援をする施設です。

入所期間に法律の上限はなく、少なくとも3か月ごとに退所できるかを見直すしくみです。

在宅復帰に力を入れている施設ほど、退所の話は早めに出やすくなります。

入所したら、次の行き先を考えはじめる時期だと受け止めておくと、慌てずにすみます。

まずは、入所の前に施設の区分と、薬のことを聞いてみるところから始めてみませんか。

よくある質問

Q. 老健に1年以上いる人もいますか。

A. 本人の状態や家族の事情によっては、長く入所している方もいます。ただし定期的に退所の検討が行われるので、長く住むことを前提にするのは難しいと考えておくと安心です。

Q. 老健と特養に、同時に申し込めますか。

A. 申し込めます。老健に入所しながら特養の空きを待つ方も多くいます。特養の申し込み先は施設や市町によって違うので、早めに確認しておくとよいと思います。

Q. 老健の費用は、特養より高いですか。

A. 施設や部屋のタイプ、要介護度によって変わるため、一概には言えません。リハビリや医療の体制がある分、介護サービス費は特養より高めになることが多いです。見積もりを出してもらって比べてみてください。

Q. 退所を言われたら、断ることはできますか。

A. 退所は施設と家族の話し合いで決まります。次の行き先が決まっていないときは、そのことを正直に伝え、相談員と一緒に時期を相談してみてください。

あわせて読みたい

病院から「そろそろ退院を」と言われたら|入院中に施設を決める手順と、退院支援の使い方

特養の申し込み、早く出せば早く入れる?入所順位が決まるしくみと待機中にできること

特養・老健・サ高住・住宅型有料、結局どう違う?費用と入居条件を1枚の表で比較

住まいブリッジでは、愛知県西三河と岐阜県の高齢者施設を、掲載料で順位が変わらない形でご紹介しています。おすすめ順や人気順はつくりません。ご相談はお問い合わせからどうぞ。

※本記事は2026年10月時点の制度をもとに書いています。老健の位置づけは介護保険法、退所の検討の頻度は自治体の指導検査基準(東京都 介護老人保健施設 指導検査基準など)の記載によります。施設の区分や費用、医療の取り扱いは施設ごとに違いますので、実際の内容は各施設と市町の窓口でご確認ください。

新着情報一覧へ戻る

同じテーマの記事

施設さがしのご相談はこちら(無料)

お住まいの地域から施設をさがす

ホーム新着情報施設さがし

老健は3か月で出なければいけないのか|「戻るための施設」のしくみと、退所の話が出る前に家族でしておくこと