施設さがし

2026.08.28

特養の申し込み、早く出せば早く入れる?入所順位が決まるしくみと待機中にできること

見学を終えて「ここにお願いしたい」と決まったら、次は申し込みです。ここで多くのご家族が誤解されるのが、申込書を出した順番で入居できると思ってしまうことです。特別養護老人ホーム(特養)はそうではありません。しくみを知らないまま待ち続けて、一年たっても連絡がないというご相談をよくいただきます。今回は申し込みの流れと、順位が決まる考え方、そして待っている間にできることを整理します。

特養の申し込みは「先着順」ではありません

特養は、申し込みが早い人からではなく、介護の必要性が高い人から入所する制度です。各都道府県が「入所指針」を定め、施設や市町村が申込者の状況を点数化して順位をつけています。

つまり、去年申し込んだ方より、今月申し込んだ方が先に入居することは普通に起こります。逆に言えば、まだ在宅でなんとかなっている段階で早めに出しておいても、それ自体が有利にはなりません。ただし、状況が悪化したときにすぐ順位に反映されるよう、早めに申し込んで登録だけしておく意味はあります。

申込先は自治体によって違います

ここが分かりにくいところで、大きく2つのやり方があります。

【施設に直接申し込む方式】入居を希望する施設に、事前連絡のうえ書類を提出します。複数の施設に出す場合は、それぞれに提出が必要です。

【市区町村の窓口にまとめて申し込む方式】介護保険課や地域包括支援センターに提出し、市が一括して順位づけを行います。この方式では申込期間や審査の時期が決まっていることが多く、締切を逃すと次の審査回しになります。

お住まいの市町村がどちらなのかは、担当のケアマネジャーか、市区町村の介護保険担当窓口で確認してください。近隣の市の施設に申し込む場合、その施設がある市町村のルールに従うことになります。

用意するもの

一般的に必要になるのは次のものです。

【入所申込書】施設または市町村の指定様式

【状況申告書】ご本人の心身の状況、介護している方の状況、住まいの環境などを書く書類

【介護保険被保険者証】写しを求められることが多い

【ケアマネジャーの意見書】要介護1・2で特例入所を希望する場合など

【主治医の情報】医療的ケアがある場合、診療情報提供書などを求められることがある

書類のうち、順位を大きく左右するのは状況申告書です。ここは遠慮せずに、実際に困っていることをそのまま書いてください。「夜に何度も起きるので介護者が眠れていない」「トイレの介助に毎回2人がかりで必要」といった具体的な記述が、判定の材料になります。ケアマネジャーに下書きを見てもらうことをおすすめします。

順位は何で決まるのか

自治体によって配点は違いますが、評価の柱はおおむね次の3つです。

【介護の必要性】要介護度、医療的ケアの有無、日常生活動作の状態

【認知症の状況】徘徊、昼夜逆転、意思疎通の困難さなど、日常生活に支障が出ている程度

【在宅介護の困難さ】主に介護している方の年齢や健康状態、就労の有無、同居家族の人数、住まいの構造、他のサービスをすでにどれだけ使っているか

見落とされやすいのが3つ目です。ご本人の状態が同じでも、介護しているご家族が高齢だったり、遠方に住んでいたり、仕事を続けながら介護していたりすれば、在宅の継続が難しいと評価されます。事情はきちんと伝えてください。

要介護1・2でも入れる「特例入所」

特養は原則として要介護3以上が対象ですが、要介護1・2でも入所できる場合があります。国の指針では、居宅での生活が困難な事情として次の4つが挙げられています。

【1】認知症があり、日常生活に支障を来すような症状や行動、意思疎通の困難さが頻繁に見られる

【2】知的障害や精神障害などを伴い、同様の症状や行動が頻繁に見られる

【3】家族などによる深刻な虐待が疑われるなどで、心身の安全・安心の確保が困難である

【4】単身世帯である、同居家族が高齢または病弱であるなどで家族の支援が期待できず、かつ地域の介護サービスや生活支援も足りていない

2023年4月の指針改正で、これらを「十分に考慮する」ことが明示され、地域の実情も加味してよいとされました。あわせて、施設が判断する際に市町村へ報告し意見を求めるしくみも整えられています。要介護1・2だからと最初からあきらめず、ケアマネジャーに該当しそうかを相談してみてください。

全国の申込者は22万人。3年で約2割減りました

厚生労働省の調査によると、2025年4月1日時点の特養入所申込者は、要介護3以上が20.6万人、要介護1・2が1.8万人で、合わせて約22.4万人でした。3年前と比べて要介護3以上で18.4パーセント、要介護1・2で17.9パーセント減っています。このうち在宅で待っている要介護3以上の方は8.6万人です。

数字だけ見ると入りやすくなったように思えますが、厚生労働省も、申込者の中にはすぐの入所を必要としない方も含まれると注記しています。施設側の人手不足で、空いている居室があっても受け入れられない例もあります。地域差も大きいので、全国の数字はあくまで目安として見てください。

待っている間にできること

【複数の施設に申し込む】ほとんどの自治体で認められています。ただし一度内定を受けて断ると、他の申し込みが無効になる自治体もあるため、本当に入りたい施設だけを選ぶことが大切です。

【状況が変わったら必ず届け出る】入院した、介護者が倒れた、認知症の症状が進んだ。こうした変化は順位に直結します。放っておくと古い情報のまま評価され続けます。

【申込の有効期間を確認する】名簿の有効期間を半年や一年と定め、更新しないと消える自治体があります。カレンダーに入れておいてください。

【ショートステイを組み込む】定期的に使っておくと、介護者の休息になるだけでなく、在宅の限界が近いという記録にもなります。

【他の選択肢も並行して見ておく】介護老人保健施設、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など。特養一本で待つより、選択肢を持っておいたほうが追い詰められずに済みます。

それでも在宅が限界に近いときは

順位が上がるのを待っている数か月、実際に苦しいのはご家族です。介護保険のサービスには支給限度額があり、通院の付き添い、入院中の身の回りの世話、日中の見守りといった部分は、制度の枠から外れることが少なくありません。

そこを補うのが、介護保険外の自費サービスです。費用はかかりますが、「入居できるまでの数か月だけ」と割り切って使う方法もあります。介護離職を防ぐ、介護者が体を壊すのを防ぐ、という観点で見れば、検討する価値はあります。

※以下は広告を含みます。

24時間365日対応の介護保険外のオーダーメイド介護サービス【イチロウ】

まとめ

特養の申し込みは先着順ではなく、介護の必要性の高さで順位が決まります。申込先は自治体によって施設直接か市町村窓口かが分かれ、順位は介護の必要性・認知症の状況・在宅介護の困難さで評価されます。要介護1・2でも特例入所の道があります。

そして、出したまま放置しないこと。状況が変わったら届け出る、有効期間を切らさない。この2つだけでも結果は変わります。

住まいブリッジでは、愛知県西三河地域と岐阜県各地域の高齢者施設を、地域別・施設種別から検索できます。特養と並行して他の選択肢も見ておきたいときに、ぜひご活用ください。

よくある質問

Q. 申し込みにお金はかかりますか? A. かかりません。申込書の提出は無料です。

Q. 何か所まで申し込めますか? A. 上限を設けていない自治体が多いですが、内定を辞退すると他の申し込みが無効になる運用の自治体もあります。事前に窓口で確認してください。

Q. 入院中でも申し込めますか? A. 申し込めます。ただし入所するには退院の見込みが立っていることが前提になります。医療的ケアの内容によっては施設側が受け入れられない場合もあります。

Q. 順位は教えてもらえますか? A. 自治体や施設によって異なります。おおよその位置を伝えてくれるところもあれば、非公開のところもあります。まずは申込先に聞いてみてください。

あわせて読みたい

老人ホーム見学、当日は何を見る?契約前に必ず確認したい12のこと

特養・老健・サ高住・住宅型有料、結局どう違う?費用と入居条件を1枚の表で比較

「施設の費用が払えない」を防ぐ4つの公的制度|負担限度額認定・高額介護サービス費のしくみと申請方法

親の食事量が減ってきたら|高齢期の低栄養を防ぐたんぱく質の目安と、飲み込みが心配なときの選び方

親を数日だけ預けたい|ショートステイの空きの探し方と、連続30日ルールで損をしないために

東濃で特養を探すとき、隣の市にも申し込めますか|多治見・土岐・瑞浪・恵那・中津川で選択肢を広げる前に知っておくこと

施設の種類をもっと詳しく

特別養護老人ホーム(特養)とは|費用・入居条件・申し込みの流れ

介護老人保健施設(老健)とは|費用・入所期間・在宅復帰

ショートステイ(短期入所)とは|費用・利用日数の上限

※本記事の内容は2026年8月時点の一般的な情報として整理したものです。申込先・必要書類・評価項目・有効期間は市区町村や施設によって異なります。実際のお手続きの際は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口および担当のケアマネジャーにご確認ください。

新着情報一覧へ戻る

同じテーマの記事

施設さがしのご相談はこちら(無料)

お住まいの地域から施設をさがす

ホーム新着情報施設さがし

特養の申し込み、早く出せば早く入れる?入所順位が決まるしくみと待機中にできること