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デイもショートも同じ事業所で|小規模多機能型居宅介護に登録する前に確かめたい5つのこと

「デイサービスが週に2回、ショートステイが月に1回、訪問介護が週に1回」。
あるご家族が、冷蔵庫に貼った予定表を見せてくださったことがあります。
曜日ごとに色の違う付箋が並んでいて、正直なところ、私にも一目では読み取れませんでした。
そのお母様は、日によって歩ける距離がまるで違う方でした。
調子のいい日は玄関まで出られる。悪い日はベッドから起き上がれない。
それなのに、予定は1か月前に決まっている。
「急に泊めてほしい、が言えないんです」。娘さんはそうおっしゃっていました。
こういうときに名前が挙がるのが、小規模多機能型居宅介護という仕組みです。
ただ、これは合う方と合わない方がはっきり分かれるサービスでもあります。
今日は、申し込む前に知っておきたいところを整理してみます。
「通い」「泊まり」「訪問」を、ひとつの事業所でまとめる
小規模多機能型居宅介護は、名前のとおり多機能なサービスです。
日中通う「通い」、そのまま泊まる「泊まり」、自宅に来てもらう「訪問」。
この3つを、同じ事業所の同じ職員が担当します。
規模は法令で決まっていて、登録できるのは1事業所あたり29人以下です。
通いの定員は登録定員の2分の1から15人まで。泊まりは通いの定員の3分の1から9人までとされています。
小さく作られているのは、顔ぶれを固定するためです。
通いで会う職員が、そのまま夜も、自宅にも来る。
認知症のある方にとって、相手が毎回変わらないことの意味は小さくありません。
もうひとつ、看護小規模多機能型居宅介護(略して看多機)という種類もあります。
こちらは上の3つに訪問看護が加わったものです。
医療的なケアが続いている方や、退院してすぐの時期に検討されることが多いサービスです。
料金は「使った回数」ではなく「月いくら」で決まる
ここが、デイサービスやショートステイと大きく違うところです。
小規模多機能型居宅介護の介護報酬は、要介護度ごとの月額の定額です。
何回通っても、何泊しても、介護保険の自己負担額そのものは変わりません。
1割負担の方の目安を挙げてみます(事業所と同じ建物に住んでいない場合)。
【要支援1】3,450円 /【要支援2】6,972円 /【要介護1】10,458円 /【要介護5】27,209円
看多機はこれより高く、【要介護1】12,447円 /【要介護5】31,408円が目安です。
ただし、これに含まれないものがあります。
食費、泊まったときの宿泊費、おむつ代などの日常生活費は別途かかります。
つまり、たくさん使う月ほど割安になり、あまり使わなかった月は割高に感じる。
そういう性質のサービスだと考えておくと、後から驚かずに済みます。
登録すると、使えなくなるサービスがある
これが、私がいちばんお伝えしたい点です。
小規模多機能型居宅介護に登録している間、併用できるサービスは限られます。
使えるのは訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導・福祉用具貸与。それに住宅改修です。
居宅療養管理指導というのは、医師や薬剤師が自宅に来て助言をしてくれるサービスのことです。
逆に言えば、訪問介護・通所介護(デイサービス)・ショートステイは併用できません。
これらの役割は、小規模多機能の「通い」「泊まり」「訪問」が引き受けるからです。
看多機の場合は、訪問看護がサービスの中に含まれています。
そのため併用できるものから訪問看護が外れ、訪問リハ・居宅療養管理指導・福祉用具貸与などが残ります。
ここで立ち止まる方は少なくありません。
「今のデイサービスに5年通っていて、本人がそこの職員さんを頼りにしている」。
そういう場合、小規模多機能に移ると、その通い先は手放すことになります。
制度のつくり上、避けようがない部分です。
ケアマネジャーが、事業所の職員に変わる
これも見落とされやすい変化です。
小規模多機能型居宅介護を使うと、ケアプランを作るのは事業所の介護支援専門員になります。
今までお世話になってきた居宅介護支援事業所のケアマネジャーが作るのではありません。
理由ははっきりしていて、日々の状態に合わせて予定を組み替えるためです。
「今日は調子が悪いから泊まりにしましょう」を即座に決めるには、計画を作る人が中にいたほうが早い。
そういう設計になっています。
ケアプラン作成の費用も月額の報酬に含まれているので、別に請求されることはありません。
ただ、厚生労働省の審議会に出された調査では、小規模多機能の利用に至らなかった理由として「利用者・家族がこれまでのケアマネジャーからの変更を望まない」が挙げられています。
長く相談してきた相手が替わるのは、やはり重いことなのだと思います。
住んでいる市町村の事業所しか使えず、その数も多くない
小規模多機能型居宅介護は地域密着型サービスという分類に入ります。
指定を出すのは都道府県ではなく市町村です。
そのため、原則としてその市町村に住民票がある方しか使えません。
隣の市に良さそうな事業所があっても、道路を挟んだだけで対象外になることがあります。
例外はあって、事業所のある市町村長の同意が得られれば区域外の方も利用できます。
ただし手続きが必要で、その市町村の判断次第という面は残ります。
事業所の数そのものも、決して多くはありません。
厚生労働省の介護サービス施設・事業所調査によると、令和6年10月1日現在で小規模多機能型居宅介護は5,478事業所。看多機は1,074事業所でした。
小規模多機能は前年(5,523事業所)よりわずかに減っています。
同じ審議会の資料では、事業を続けるうえでの課題として「人材確保」が78.5%、「経営・収支面」が60.7%と挙げられていました。
お住まいの地域にあるとは限らない、と考えておいたほうがよさそうです。
向いている方と、急がないほうがいい場合
私がご家族の話をうかがってきた範囲では、次のような場合に噛み合いやすい印象です。
【1】日によって状態の波が大きく、予定を固定しづらい
【2】家族の仕事や通院で、急に泊まりを頼みたい日が出てくる
【3】職員の顔ぶれが変わると本人が混乱してしまう
【4】訪問介護と通所を別々の事業所に頼んでいて、連絡の行き違いが起きている
逆に、急がないほうがいいかもしれないのは、こういう場合です。
【1】今の組み合わせで足りていて、本人も家族も困っていない
【2】通っているデイサービスに本人が馴染んでいる
【3】今のケアマネジャーとの関係が、家族にとっての支えになっている
【4】月に数回しか使う予定がなく、定額だと割高になる
見学に行って、いきなり登録を決める必要はありません。
「登録した場合、今使っているサービスのどれが使えなくなりますか」。
この一問を、最初に聞いてみてください。
自宅で過ごす日の食事が、案外いちばん残る
在宅を続けるという話になると、介護の手はどうにか算段がつくことが多いものです。
通いの日は昼食が出ます。泊まった日は夕食も朝食も出ます。
けれども、家にいる日の食事の支度は、そのまま家族の側に残ります。
ここは介護保険が直接は埋めてくれない部分です。
やわらかさを調整した食事が必要な方だと、なおさら負担が重くなります。
毎食を手作りにこだわらず、宅配の食事を組み合わせて凌いでいるご家庭もあります。
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合う合わないはありますので、まずはお試しから様子を見るのが無難だと思います。
まとめ
小規模多機能型居宅介護は、通い・泊まり・訪問を同じ事業所にまとめる仕組みです。
料金は月額の定額で、使う回数が多い方ほど割安になります。
その代わり、訪問介護・通所介護・ショートステイは併用できなくなります。
ケアマネジャーも事業所の職員に替わります。
「便利になる」というより、介護の組み立て方をまるごと入れ替える選択に近いのだと思います。
だからこそ、今の組み合わせで困っていないなら、急いで移る必要はありません。
逆に、予定が固定できないことに疲れているなら、一度見学してみる価値は十分にあります。
次回は、介護保険の自己負担割合について書きます。
1割だと思っていたら2割だった、という相談が意外に多いからです。
よくある質問
Q. 要支援でも使えますか。
A. 使えます。ただし制度上は「介護予防小規模多機能型居宅介護」という別のサービス区分になります。一方、看多機のほうは要介護1以上が対象で、要支援の方は利用できません。
Q. 福祉用具のレンタルは続けられますか。
A. 続けられます。福祉用具貸与は併用できるサービスに含まれています。住宅改修も対象です。
Q. 月に1回しか使わなくても、満額かかりますか。
A. 介護保険の自己負担は月額の定額なので、原則として利用回数では変わりません。利用が少ない月は割高に感じられる仕組みです。使う頻度の見通しを立ててから決めるほうが安心です。
Q. 合わなかったら、元のサービスに戻せますか。
A. 登録をやめて、居宅介護支援事業所のケアマネジャーに戻ることはできます。ただし前に通っていたデイサービスに空きがあるとは限りません。戻る可能性も含めて、登録前に事業所とケアマネジャーに相談しておくことをおすすめします。
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住まいブリッジでは、愛知県西三河と岐阜県の高齢者施設を、掲載料で順位が変わらない形でご紹介しています。おすすめ順や人気順はつくりません。ご相談はお問い合わせからどうぞ。
※本記事は2026年9月時点の公表資料をもとに書いています。定員や併用の取り扱いは厚生労働省令および各市町村の運用に基づきますが、区域外利用の可否など、実際の判断は市町村によって異なります。事業所数は厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査の概況」(令和6年10月1日現在)、自己負担額の目安は厚生労働省の介護サービス情報公表システムおよび社会保障審議会介護給付費分科会資料によります。最新の取り扱いはお住まいの市町村の介護保険担当窓口でご確認ください。
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