施設さがし

2026.10.26

「介護医療院」は、どんな人のための施設か|病院でも老健でもない場所と、費用と、入る前に聞きたいこと

病院の相談員さんから、
「介護医療院という選択肢もありますよ」と言われた。
そう聞いて、すぐに姿が浮かぶ方は少ないと思います。

病院なのか、老人ホームなのか。
いつまでいられるのか。
費用は、特養や老健とくらべてどうなのか。

私も、ご家族からこの名前を出されて、
うまく説明できずにもどかしかったことがあります。
この記事では、介護医療院のしくみを、ひとつずつ整理してみます。

介護医療院は、2018年にできた新しい施設です

介護医療院は、2018年4月に介護保険の施設として新しくつくられました。
医療と介護の両方が、長く必要な方のための住まいです。

対象は、要介護1以上の方です。
要支援の方は利用できません。

病院のように医師や看護師がいて、たんの吸引や点滴などにも対応しながら、
食事や入浴、日々の暮らしの介護も受けられる。
「医療がある生活の場」と考えると、イメージしやすいかもしれません。

Ⅰ型とⅡ型、2つのタイプがあります

介護医療院には、受け入れる方の状態によって2つのタイプがあります。

【Ⅰ型】重い病気がある方や、体の合併症がある認知症の方が中心/医師は入所者48人に1人以上

【Ⅱ型】Ⅰ型より容体が比較的安定している方が中心/医師は入所者100人に1人以上

部屋(療養室)は、1人あたり8㎡以上と決められています。
相部屋は4人以下で、家具やカーテンで仕切って、
一人ひとりの空間を保つことになっています。

同じ「介護医療院」でも、Ⅰ型かⅡ型かで医療の手厚さが変わります。
見学のときに、まずどちらなのかを聞いてみてください。

老健や病院と、どこが違うのか

いちばん迷いやすいのが、介護老人保健施設(老健)との違いです。

老健は、リハビリをして家に帰ることを目指す施設です。
3か月ごとに、退所できるかどうかを話し合うのが基本です。
一方で介護医療院は、長く暮らすことを前提にしています。

病院の療養病床との違いは、使う保険です。
医療療養病床は医療保険、介護医療院は介護保険で利用します。
そのため、ケアプランや要介護認定が関わってきます。

【ざっくり言うと】
家に帰るためのリハビリ=老健/医療が続く中での暮らし=介護医療院/治療が中心=病院

なぜ、この施設がつくられたのか

以前は「介護療養型医療施設」という施設がありました。
ただ、病院の中での暮らしは、どうしても治療の場の色が濃くなります。
長く過ごす方の生活の質が、課題とされてきました。

そこで国は、医療を保ちながら「暮らしの場」にもなる施設として、
介護医療院をつくりました。
介護療養型医療施設は2024年3月末で廃止され、多くが介護医療院に移っています。

もとが病院だったところも多いので、
建物の中に病院がある、隣にある、という形もよく見かけます。

費用は、何にいくらかかるのか

費用の中身は、特養や老健とほぼ同じ形です。

【毎月かかるもの】
介護サービスの自己負担(1〜3割)/居住費(部屋代)/食費/日用品や理美容などの実費

介護サービスの自己負担は、要介護度と、Ⅰ型かⅡ型か、
部屋のタイプや職員の体制によって変わります。
見積もりは、必ず施設に出してもらってください。

ひとつ知っておきたいのが、2025年8月からの変更です。
Ⅱ型の相部屋では、居住費の基準額が1日437円から697円になりました。
ひと月にすると、8千円ほどの増え方です。

住民税が非課税の世帯なら、居住費と食費を軽くする
「負担限度額認定」が使える場合があります。
申請は、お住まいの市町村の介護保険の窓口です。

介護医療院が向かない場合もあります

医療の処置がほとんど必要ない方は、
特養など、ほかの施設のほうが暮らしに合うこともあります。
介護医療院は、医療が必要な方のために枠が使われるためです。

リハビリをして、もう一度家に帰りたいという気持ちが強いときは、
まず老健を考えてみるのもひとつです。

どちらが合うかは、主治医や病院の相談員さんと、
「この先、どんな医療がどのくらい続きそうか」を話してみると、
見えてきやすいと思います。

申し込みの流れと、見学で聞きたいこと

申し込みは、入りたい施設に直接出すのが基本です。
入院中なら、病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーが、
施設とのやりとりを手伝ってくれることが多いです。

【見学で聞いておきたいこと】
【1】Ⅰ型かⅡ型か
【2】夜間の医師・看護師の体制
【3】たんの吸引や経管栄養など、いまの処置に対応できるか
【4】最期まで過ごせるか、急変したときはどうするか
【5】ひと月の費用の見積もり(部屋のタイプ別)

手続きを頼める家族が、近くにいないとき

入所の手続きでは、身元引受人や緊急時の連絡先を求められることがあります。
医療の方針を相談される場面も、ほかの施設より多くなりがちです。

子どもが遠方にいる、頼れる親族がいない。
そんなときは、成年後見制度や、身元保証・亡くなった後の手続きを
引き受ける民間のサービスを調べておくと安心です。
契約の内容や費用は事業者ごとに違うので、資料を比べてみるのがおすすめです。

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まとめ

介護医療院は、医療と介護の両方が長く必要な方のための住まいです。
老健のように「3か月で帰る」場所ではなく、
暮らし続けることを前提にしています。

Ⅰ型かⅡ型か、夜の体制、費用の見積もり。
この3つを聞くところから始めてみると、
候補にするかどうかが、ぐっと決めやすくなると思います。

よくある質問

Q. 要介護1でも入れますか?
A. 制度上は要介護1から対象です。実際には医療の必要性を見て判断されるので、施設に状態を伝えて相談してみてください。

Q. 期限はありますか?
A. 老健のような「3か月ごとの退所の検討」は前提にしていません。ただ、状態が変わったときは、ほかの施設や病院への移動を相談されることもあります。

Q. 医療費控除の対象になりますか?
A. 介護医療院の自己負担は、医療費控除の対象になります。くわしくは下の記事で整理しています。

Q. 病院から直接移れますか?
A. 移れます。入院中に病院の相談員さんへ「介護医療院も考えたい」と伝えておくと、話が進めやすいです。

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住まいブリッジでは、施設の種類やエリアから施設を探せます。
夜間の職員体制を公開している施設もあるので、見学先を選ぶときの参考にしてみてください。

※この記事は2026年10月時点の制度をもとにしています。人員や設備の基準は厚生労働省の基準、居住費の変更は愛知県の案内(2025年8月施行)によります。実際の体制や費用は施設ごとに異なるため、各施設と市町村の窓口でご確認ください。

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