施設さがし
「看取りまでお願いできます」は、どこまでの意味か|施設で最期を迎えるために、入居前に聞いておきたい6つのこと

施設のパンフレットに「看取り対応可」と書いてあると、
それだけで少しほっとしますよね。
ところが入居してしばらくたって、体調が大きく崩れたとき、
「夜は看護師がいないので、病院へ」と言われて戸惑った、
という声を聞くことがあります。
同じ「看取り対応」という言葉でも、
施設によって、できることの中身はかなり違います。
この記事では、施設で最期を迎えたいと考えたときに、
入居の前に聞いておきたいことを整理してみます。
「看取り」とは、どういう状態のことか
ここでいう看取りは、病気を治すための治療をこれ以上は望まず、
痛みや苦しさをやわらげながら、最期の時間を過ごすことを指します。
施設で看取りに入るときは、医師が「回復の見込みが難しい」と判断し、
本人や家族と話し合って同意したうえで始まるのが一般的です。
入居した日から自動的に決まっているものではありません。
施設の種類によって、しくみが違う
介護保険には、看取りに取り組む施設を評価するしくみがあります。
施設の種類ごとに、ざっくり整理すると次のとおりです。
【特別養護老人ホーム】看取り介護加算のしくみがあり、看取りに取り組む施設が多い
【介護老人保健施設】ターミナルケア加算のしくみがある。もともとは自宅に戻るための施設
【介護付き有料老人ホーム】看取り介護加算のしくみがある。対応は施設ごとの差が大きい
【グループホーム】医療との連携体制を整えた施設なら、看取り介護加算のしくみがある
【住宅型有料老人ホーム・サ高住】施設そのものではなく、外部の訪問診療や訪問看護と組み合わせて対応する
しくみがあることと、その施設が実際に取り組んでいることは別です。
だからこそ、入居前に中身を聞いておくことが大事になります。
入居前に聞いておきたい6つのこと
【1】これまでに施設で看取った方はいるか
件数そのものより、「最近ではどんな形で看取ったか」を聞くと、様子が伝わりやすいです。
【2】夜間に看護師はいるか、いないときはどうするか
夜に看護師がいない施設も多いです。
その場合に、電話で看護師とつながる体制があるかを聞いてみてください。
【3】医師はだれが、どのくらい来てくれるか
協力医療機関の医師が往診してくれるのか、かかりつけ医を続けられるのかで、最期の過ごし方が変わります。
【4】急変したとき、救急車を呼ぶかどうかの決め方
本人や家族の希望をどう確かめ、どう記録しておくのかを聞いておくと安心です。
【5】家族が付き添ったり、泊まったりできるか
最期の数日をそばで過ごせるかどうかは、施設によって大きく違います。
【6】看取りに関する指針を見せてもらえるか
看取り介護加算を算定する施設は、看取りの指針を定めて、入居のときに説明することになっています。
紙で見せてもらえるか、聞いてみてください。
「最期をどう過ごしたいか」を、家族で話しておく
施設の体制と同じくらい大事なのが、本人の希望です。
延命のための治療をどこまで望むのか、病院に移りたいのか、
住み慣れた場所で過ごしたいのか。
こうした話し合いは「人生会議(ACP)」と呼ばれ、
厚生労働省も、元気なうちから繰り返し話しておくことをすすめています。
一度決めて終わりではなく、気持ちが変わったら話しなおしてよいものです。
いきなり重い話をするのが難しければ、
「もし入院したら、だれに連絡してほしい?」くらいから始めてみると、
話の糸口になると思います。
施設で看取りを選ばないほうがいい場合もある
強い痛みをとるための医療が必要なときや、
頻繁に医療的な処置が必要なときは、
施設よりも病院や緩和ケアの病棟のほうが合っていることもあります。
「施設で最期まで」を目標にしすぎず、
本人がいちばん楽に過ごせる場所はどこかを、
医師やケアマネジャーと一緒に考えてみてください。
なぜ、施設での看取りが増えてきたのか
高齢の方が増え、病院だけで最期を受け止めるのが難しくなってきました。
そこで国は、施設や自宅で最期を迎えられるよう、
報酬のしくみや医療との連携を少しずつ整えてきました。
2024年度の介護報酬改定では、施設があらかじめ協力医療機関と取り決めておくことが強められました。
ただ、体制がどこまで整っているかは、まだ施設によって差があるのが実際のところです。
頼れる家族が近くにいないときに、考えておきたいこと
看取りの方針を決めるときや、急に入院するときには、
施設から家族に連絡が入り、同意を求められる場面があります。
子どもが遠方に住んでいる、頼れる親族がいない。
そんなときは、だれがその役割を引き受けるのかを、
早めに決めておくと本人も家族も安心です。
成年後見制度や、身元保証・亡くなった後の手続きを引き受ける民間のサービスもあります。
契約の内容や費用は事業者ごとに違うので、資料を取り寄せて比べてみるのがおすすめです。
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まとめ
「看取り対応可」という言葉の中身は、施設によってかなり違います。
夜間の体制、医師の関わり方、急変時の決め方、家族の付き添い。
この4つを聞くだけでも、施設の姿がはっきりしてきます。
そして、本人がどう過ごしたいかを家族で話しておくこと。
答えはすぐに出なくても大丈夫です。
話しはじめておくことが、いちばんの準備になると思います。
よくある質問
Q. 看取りをお願いすると、費用は高くなりますか?
A. 看取り介護加算などの分が、介護保険の自己負担に上乗せされます。金額は施設の種類や日数によって違うので、施設に目安を聞いてみてください。
Q. 一度「施設で看取りを」と決めたら、変えられませんか?
A. 変えられます。本人や家族の気持ちが変わったら、いつでも話しなおしてよいとされています。
Q. 老健でも最期まで過ごせますか?
A. ターミナルケア加算のしくみがあり、看取りをする老健もあります。ただ、もともとは自宅に戻るための施設なので、方針は施設ごとに確かめるのがおすすめです。
Q. 見学のときに看取りのことを聞くのは失礼ではありませんか?
A. 失礼ではありません。入居前に確かめておくことで、あとのすれ違いを防げます。施設の側も、はっきり聞いてもらえるほうが説明しやすいはずです。
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住まいブリッジでは、施設の種類やエリアから施設を探せます。
夜間の職員体制を公開している施設もあるので、見学先を選ぶときの参考にしてみてください。
※この記事は2026年10月時点の制度をもとにしています。看取りの体制や加算の算定状況は施設ごとに異なります。具体的な対応は、各施設や主治医、ケアマネジャーにご確認ください。
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