施設さがし
西三河で施設をさがすとき、最初に決めること|豊田・岡崎・安城・刈谷・西尾で「相談の入口」が違う話

「まず、どこに電話すればいいのでしょうか」
西三河にお住まいのご家族から、いちばん多くいただくのがこの質問です。
以前、東濃の記事で「次は西三河の話を書きます」とお約束しました。今回がその回です。
最初にお伝えしておきたいことがあります。
西三河は、同じ「西三河」とひとくくりにされますが、市によって事情がかなり違います。
広さも、相談窓口の数も、その窓口の呼び名すら違うのです。
このことを知らずに探しはじめると、あとで遠回りになることがあります。
5つの市は、こんなに広さが違います
愛知県の統計から、行政面積を並べてみます。
豊田市/約918平方キロメートル
岡崎市/約387平方キロメートル
西尾市/約161平方キロメートル
安城市/約86平方キロメートル
刈谷市/約50平方キロメートル
豊田市と刈谷市では、18倍以上の開きがあります。
これは数字あそびではありません。
刈谷市なら、市内のどの施設でも車で20分もあれば着きます。
けれど豊田市は、市街地から旭や稲武のあたりまで行くと、同じ市内でも1時間近くかかります。
つまり、豊田市で「市内で探しています」と言うことには、あまり意味がないのです。
岡崎市も同じで、額田のほうまで含めると市内の移動時間は大きく変わります。
「市」ではなく「そこから車で何分か」で線を引くほうが、現実に合っています。
相談の入口の数も、市によって違います
高齢者の相談をまとめて受けてくれる窓口を、地域包括支援センターといいます。
この数と、担当エリアの分け方が、市ごとに違います。
豊田市は29か所で、中学校区ごとに設置されています。
岡崎市は20か所で、小学校区ごとに担当が決まっています。
西尾市は8か所で、こちらは小学校区と中学校区が混在しています。
さらに西尾市では、呼び名が「高齢者サポートセンター」に変わっています。
市のサイトで「地域包括支援センター」を探しても見つからず、そこで手が止まってしまう方がいらっしゃいます。
安城市と刈谷市も、それぞれのやり方で市内を分けています。
数と担当は変わることがあるので、市のホームページか市役所の介護保険担当課で確認するのが確実です。
どの市であっても、担当のセンターは本人の住所で自動的に決まります。選ぶものではありません。
ここを間違えて「評判のいいセンター」を探そうとされる方がいるのですが、その必要はないのです。
市をまたいで申し込めるもの、申し込めないもの
東濃の記事でも書いた論点ですが、西三河でも同じことが起こります。
施設には大きく2つの種類があります。
【1】どの市町村の方でも申し込める施設
定員30人以上の特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などです。岡崎市にお住まいでも、安城市の施設に申し込めます。
【2】原則としてその市町村に住民票がある方だけの施設
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)、定員29人以下の地域密着型の特別養護老人ホーム、小規模多機能型居宅介護などです。これらは地域密着型サービスと呼ばれ、市町村が指定しています。
ここが、西三河では効いてきます。
刈谷市と安城市のように市境が近い地域では、「車で10分なのに申し込めない」ということが起こります。
市町村どうしの協議と同意があれば区域外の方が利用できる場合もありますが、これは自動ではありません。
気になる施設があれば、その施設のある市の窓口に確認してください。
住民票を移すかどうかは、先に考えておく
親を呼び寄せる形で施設を探す方は多いです。たとえば、豊田市のご実家から、刈谷市に住むお子さんの近くへ。
このとき問題になるのが、住民票を移すと移した先の市町村の介護保険に加入することになる、という点です。
ただし例外があります。
住所地特例という仕組みで、定員30人以上の特養や老健、介護医療院、特定施設(介護付有料老人ホームなど)に入るために住所を移した場合は、元の市町村の被保険者のままになります。
地域密着型の特定施設は、この対象から外れます。
紛らわしいところなので、住民票を動かす前に、必ず元の市の窓口に確認していただきたいです。
面会が続くかどうかで、選ぶ範囲が決まります
制度の話が続いたので、少し実際的な話をさせてください。
私がご家族にいちばん聞くのは、「どなたが、どのくらいの頻度で通われますか」です。
入居してからの数年間、通うのはご家族です。
片道40分の施設は、見学のときは「ぜんぜん行ける距離」に感じます。けれど、仕事帰りに寄れる距離ではありません。
西三河は車社会ですから、距離そのものより「行こうと思った日に行けるか」で考えるといいと思います。
通う方が高齢のご家族であれば、なおさらです。夜の運転が難しくなる時期のことまで考えておくと、あとで困りません。
見学は、1日に2つの市をまたがない
これは失敗談として聞いた話です。
休みを取って、午前に豊田市、午後に西尾市の施設を見る予定を立てられた方がいました。
移動で疲れ果ててしまい、午後の見学では何を聞いたか覚えていない、と後日おっしゃっていました。
同じ市、できれば同じ方面で2〜3件をまとめて回る。これが、いちばん比較しやすいやり方だと思います。
似た条件の施設を続けて見ると、違いがはっきり見えてきます。
急がないほうがいい場合
西三河は、施設の数そのものは比較的多い地域です。
だからこそ、焦って最初に見た1件に決めてしまうのはもったいない。
ただし、特別養護老人ホームの申し込みだけは別です。
待機が生じることがあるので、申し込みは早めに出しておいて、実際に入るかどうかは順番が来てから考える。この順番のほうが、選択肢は広がります。
申し込んだからといって、断れないわけではありません。
まとめ
西三河で施設をさがすときの、最初の一歩をまとめます。
【1】市ではなく「車で何分か」で範囲を決める
【2】本人の住所で決まる地域包括支援センターに、まず電話する(西尾市では高齢者サポートセンター)
【3】グループホームと地域密着型特養は、原則その市に住民票がある方だけ
【4】住民票を移すなら、住所地特例を先に確認する
【5】見学は同じ方面でまとめて回る
住まいブリッジでは、豊田・岡崎・安城・刈谷・西尾をはじめとする西三河の施設を、市町ごとにご覧いただけます。
まずは、通える範囲を眺めてみるところから始めてみませんか。
次回は、中濃・飛騨(関・美濃加茂・可児・高山・飛騨)で施設をさがすときの話を書きます。
よくある質問
Q. 隣の市の特別養護老人ホームに申し込めますか。
A. 定員30人以上の広域型であれば申し込めます。定員29人以下の地域密着型は、原則としてその市に住民票がある方が対象です。
Q. 地域包括支援センターは選べますか。
A. 選べません。本人の住所によって担当が決まります。豊田市は中学校区ごと、岡崎市は小学校区ごとに分かれています。
Q. 親を呼び寄せて施設に入れる場合、住民票は移すべきですか。
A. 施設の種類によって扱いが変わります。住所地特例の対象になる施設なら、移しても元の市町村の被保険者のままです。移す前に元の市の窓口へご確認ください。
Q. 西三河の施設は、どこで一覧を見られますか。
A. 住まいブリッジの西三河のサイトで、市町ごと・施設の種類ごとにご覧いただけます。
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※この記事は2026年9月時点の情報にもとづいています。地域包括支援センターの数や名称、担当エリアは見直されることがあります。面積は愛知県の統計によるおおよその値です。最新の情報は各市のホームページでご確認ください。
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