施設さがし

2026.10.13

「施設には行かない」と親に言われたら|説得の言葉を探す前に、家族でしておきたいこと

「施設なんて、絶対に行かない」。

親にそう言われて、話がそこで止まってしまった、というご相談は少なくありません。

施設の候補まで調べてあるのに、本人が首を縦に振らない。

責めるつもりはないのに、言い合いになってしまう。

そんなとき、家族のほうも、疲れと申し訳なさでいっぱいになりますよね。

今日は、説得の言葉を探す前に、家族のほうでしておけることを整理してみます。

「行かない」の奥にある気持ちを、まず聞いてみる

施設を嫌がる理由は、人によってずいぶん違います。

【1】家族に見捨てられるような気がする

【2】知らない人と暮らすのが不安

【3】お金がかかって、子どもに迷惑をかけたくない

【4】自分はまだ大丈夫だと思っている

同じ「行かない」でも、理由が違えば、かける言葉も変わってきます。

まずは理由を一つ聞かせてもらうだけで、話の進め方が見えてくることがあります。

「どうして嫌なの」と聞くより、「何がいちばん心配?」と聞くほうが、答えが返ってきやすいようです。

決めるのは、本人だということ

施設に入る契約は、原則として本人が結ぶものです。

家族がよかれと思って決めても、本人が納得していなければ、入居後につらい思いをすることがあります。

認知症などで判断が難しくなっている場合も、本人の気持ちを聞く努力は続けたいところです。

判断する力そのものが心配なときは、成年後見制度という仕組みもあります。

ただ、これは手続きに時間がかかるので、地域包括支援センターに早めに相談しておくと安心です。

いきなり入居ではなく、短く試してみる

施設に慣れる方法として、ショートステイやデイサービスから始めるやり方があります。

ショートステイは、数日だけ施設に泊まるサービスです。

デイサービスは、日中だけ通って、食事や入浴、体操などをするサービスです。

「旅行のつもりで2泊だけ」と試してみると、思っていたより過ごしやすかった、と感じる方もいます。

反対に、合わないと分かれば、別の施設や別の形を考えるきっかけになります。

どちらにしても、本人が自分の目で確かめる機会になるのは大きいと思います。

家族以外の人に、間に入ってもらう

子どもから言われると反発するのに、ほかの人から言われると素直に聞ける。

親子のあいだでは、よくあることだと感じます。

ケアマネジャーや地域包括支援センターの職員、かかりつけ医などに、間に入ってもらう方法があります。

専門職の立場から、いまの暮らしで心配な点を伝えてもらうと、受け止め方が変わることがあります。

事前に「本人がこういう理由で迷っている」と、家族から伝えておくと話がスムーズです。

「いつまでに」を決めつけない。ただし線は引いておく

説得を急ぐと、本人はかえって身構えてしまいます。

すぐに結論を出さず、季節をまたいで話し合う家族もいます。

一方で、家族が何も決めないまま限界を迎えるのも、避けたいところです。

「転んで動けなくなったら」「火の不始末が2回あったら」など、家族の中で目安を決めておく方法があります。

その目安を、本人が元気なうちに共有できると、いざというときの話し合いが少し楽になると思います。

無理に連れていくのは、急がないほうがいい

「とにかく一度入ってしまえば慣れる」と考える方もいます。

たしかに、入ってみたら落ち着いたという例もあります。

けれども、だまして連れていくような形だと、家族への信頼が崩れてしまうことがあります。

入居後に帰宅を強く求めて、施設での生活が続かなくなることもあります。

命にかかわる危険が迫っているとき以外は、本人が納得する時間をとってあげてほしいと思います。

話し合いのあいだ、家族の手を少し空ける

話し合いが長引くあいだも、毎日の介護は続きます。

家族が疲れきってしまうと、落ち着いて話をすること自体が難しくなります。

介護保険のサービスは、ケアマネジャーと一緒に組み立てるのが基本です。

そのうえで、保険では頼みにくい部分を、自費のサービスで補っているご家庭もあります。

通院の付き添いや、長めの見守りなどを任せて、家族が話をする余裕をつくる考え方です。

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料金や対応できる地域はサービスによって違いますので、まずは問い合わせて確かめてみてください。

まとめ

親が施設を嫌がるのは、わがままではなく、不安の表れであることが多いものです。

まずは「何がいちばん心配か」を聞くところから始めてみてください。

ショートステイやデイサービスで短く試す方法もあります。

家族だけで抱えず、ケアマネジャーや地域包括支援センターに間に入ってもらうのも一つの手です。

急がず、でも目安だけは家族で決めておく。そのくらいの構えで、十分だと思います。

よくある質問

Q. 本人が嫌がっていても、家族が施設と契約できますか。

A. 施設の契約は原則として本人が結ぶものです。判断する力が十分でない場合は、成年後見制度などの手続きが必要になることがあります。まずは地域包括支援センターに相談してみてください。

Q. 見学だけでも、本人を連れていったほうがいいですか。

A. 本人が行ける状態であれば、一緒に行くことをおすすめします。建物や職員の雰囲気を自分の目で見ると、不安が和らぐことがあります。最初は家族だけで下見をしておく方法もあります。

Q. ショートステイを嫌がった場合は、どうすればいいですか。

A. 施設が合わなかったのか、泊まること自体が嫌だったのかを聞いてみてください。施設を替えたり、日帰りのデイサービスから始めたりすると、受け止め方が変わることがあります。

Q. 話し合いがまとまらないうちに、家族が倒れそうです。

A. 家族の体調が限界のときは、それ自体をケアマネジャーや地域包括支援センターに伝えてください。ショートステイの利用を増やすなど、家族が休むための調整を相談できます。

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※本記事は2026年10月時点の一般的な制度と、ご家族からのご相談をもとに書いています。成年後見制度の利用や施設の契約の取り扱いは個別に判断されますので、実際の手続きは市町の窓口や専門職にご確認ください。

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