施設さがし

2026.09.07

入居した親に会いに行く|面会のルールと、持ち込んでいいもの・断られるもの

入居の日が終わって、ほっとしたのも束の間でした。

「次はいつ会いに行けますか」

そう聞いた娘さんに、施設の方が申し訳なさそうに答えたそうです。「面会は事前にご予約をお願いしています」と。

予約が要るとは思っていなかった。時間も30分と決まっていた。

「もう自由には会えないんですね」

電話口でそうこぼされたとき、私は言葉に詰まりました。

でも、これは施設が冷たいからではありません。そして、諦めなければいけない話でもありません。

順番に見ていきます。

面会は「制限されて当たり前」ではありません

まず、ここを押さえておいてください。

厚生労働省は「高齢者施設における面会は、施設のご利用者やご家族等にとって重要なもの」とはっきり書いています。

2023年1月31日には、面会の再開・推進をすすめる事務連絡を出しました。施設の職員向けに動画とリーフレットまで作っています。

つまり国の立場は「制限しましょう」ではなく、「工夫して会ってもらいましょう」です。

ここを知っているかどうかで、施設への聞き方が変わります。

それでも施設ごとにルールが違う理由

では、なぜ施設によってこんなに違うのか。

面会の時間・回数・場所をどうするかは、その施設の管理者が判断することになっているからです。

地域の感染状況、建物の構造、職員の人数。条件が違えば答えも変わります。

だから「隣の施設は自由に会えるのに」と比べても、あまり意味がありません。

見るべきなのは、その施設が理由を説明できるかどうかです。

「決まりですから」しか返ってこないときは、少し踏み込んで聞いてみてください。

面会のとき、聞いておくとよい3つのこと

【1】居室で会えますか、それとも面会室だけですか

これは想像以上に大きな違いです。

居室に入れると、部屋の様子が見えます。物の置き方、洗濯物、におい。言葉で聞くより多くのことが分かります。

【2】食事の時間や、レクリエーションに立ち会えますか

食事の場面はいちばん情報量が多い時間です。どれくらい食べているか、むせていないか、誰と話しているか。

一度でいいので見せてもらえないか、聞いてみてください。

【3】記録を見せていただけますか

介護記録は、本来ご本人とご家族が確認できるものです。

毎回でなくても、月に一度でも目を通しておくと、体調の変化に早く気づけます。

持ち込みは「火」と「水」と「刃物」で線が引かれます

次に持ち込みの話です。

施設ごとに細かい違いはありますが、断られやすいものには共通点があります。

【火】ライター、マッチ、線香、電気ストーブ、電気ポット

【水】加湿器、電気ケトル(結露やこぼれが感染や漏電につながるため)

【刃物】はさみ、爪切り、カミソリ、果物ナイフ

【その他】多額の現金、大切な貴金属、賞味期限のある食べ物

火と水と刃物。この3つは、消防や事故防止の観点からどの施設も慎重になります。

仏壇やお線香を持っていきたいというご相談はよく受けますが、火を使わない電池式のろうそくなら認められることが多いです。

まず聞いてみてください。「代わりにこういう形なら」と提案してくれる施設は、信頼できます。

食べ物の差し入れは、いちばん慎重に

差し入れで気をつけたいのが食べ物です。

好きだったものを持っていってあげたい。その気持ちはよく分かります。

ただ、飲み込む力が落ちている方にとっては、餅やこんにゃく、パサついたパンが命に関わることがあります。

施設が「食べ物はご遠慮ください」と言うとき、その多くは事故を心配しているからです。

やめてくださいと言われたら、「では、どういう形なら大丈夫ですか」と聞き方を変えてみてください。

ゼリー状のもの、やわらかく調理されたもの、少量ずつ。条件つきで認めてくれる施設は多いです。

もうひとつ、飲み込みやすさに配慮して作られた市販の食事を使う方法もあります。

自宅で作ったものは硬さや大きさを揃えにくく、施設側も安全かどうか判断しにくいところがあります。

規格のはっきりしたものなら、「これなら大丈夫ですか」と職員に相談しやすくなります。

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居室を「その人の部屋」にする

持ち込みの話は、制限の話だけではありません。

持っていけるもののなかに、その方の暮らしを取り戻すものがあります。

家で使っていた枕やタオル。長年かけていた時計。壁に貼る家族の写真。

認知症のある方ほど、見慣れたものが近くにあることが落ち着きにつながります。

「持ち込み禁止リスト」を確認したら、次は「持っていっていいもので、何を持っていくか」を考えてみてください。

こちらのほうが、ずっと大事な話です。

過度な制限は、決まりの上でも認められていません

ひとつだけ、知っておいていただきたいことがあります。

有料老人ホームの設置運営標準指導指針は、「身体的拘束その他入居者の行動を制限する行為を行ってはならない」と定めています。

やむを得ず行う場合も、その方法と時間、そのときの心身の状況、やむを得ない理由を記録しなければなりません。

また、契約を解除する条件についても「信頼関係を著しく害する場合に限るなど入居者の権利を不当に狭めるものとなっていないこと」とされています。

つまり、家族が意見を言ったから退去、というようなことは想定されていません。

遠慮しすぎなくて大丈夫です。

まとめ

面会は制限されて当たり前のものではありません。国は再開と推進の立場です。

ただし時間・回数・場所の決め方は施設の管理者に任されています。だから施設ごとに違います。

大事なのは、その施設が理由を説明できるかどうかです。

持ち込みで断られやすいのは、火・水・刃物にかかわるもの。断られたら「ではどういう形なら」と聞き方を変えてみてください。

そして、持っていっていいもので何を持っていくか。枕やタオルや写真が、その方の暮らしを支えます。

よくある質問

Q. 面会の予約が必要な施設は、対応が悪いのでしょうか。

A. そうとは限りません。予約制にすることで職員が付き添える、居室を整えておけるという面もあります。見るべきなのは予約の有無より、こちらの希望を聞いてくれるかどうかです。

Q. 遠方に住んでいて、なかなか会いに行けません。

A. オンライン面会を続けている施設は多くあります。また、電話や手紙を職員が読み上げてくれることもあります。「行けないので何もできない」と考えず、できる形を相談してみてください。

Q. 持ち込んだ物が壊れたりなくなったりしたら、施設が弁償してくれますか。

A. 施設の過失が明らかな場合を除き、基本的には難しいと考えてください。だからこそ、高価なものや思い出の品そのものは持ち込まず、写真に撮って飾るなどの方法をおすすめします。

Q. 面会に行くと本人が「帰りたい」と言って辛いです。行かないほうがいいでしょうか。

A. 会いに行くのをやめる必要はありません。帰り際がつらいのであれば、職員に声をかけてもらう、レクリエーションの時間に合わせて行くなど、切り上げ方を工夫できます。職員に相談してみてください。

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住まいブリッジでは、愛知県西三河地域と岐阜県の高齢者施設を、広告費の多さではなく条件から探せるようにしています。地域や施設種別から候補を絞り込んで、見学のご相談にお使いください。

次に会いに行くとき、ひとつだけ質問を用意していきませんか。それだけで、見えるものが変わります。

※本記事の内容は2026年9月時点の一般的な情報です。面会の方法や持ち込みの可否は施設ごとに異なり、感染状況によっても変わります。実際のルールは入居先の施設に直接ご確認ください。

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