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2026.09.02

認知症の親にグループホームという選択肢|特養・有料老人ホームとの違いと、申し込む前に必ず確認する5つ

「認知症と診断されたら、どこに入れるのか」。ご家族からいちばん多くいただくご質問です。特別養護老人ホーム(特養)や有料老人ホームは名前が知られていますが、認知症の方のために作られた住まいがもう一つあります。グループホーム(認知症対応型共同生活介護)です。

ただ、この選択肢には他の施設にはない大きな条件があります。それを知らずに申し込み、断られてから気づく方が少なくありません。ここではグループホームがどういう場所なのか、特養や有料老人ホームと何が違うのか、そして申し込む前に必ず確認していただきたい5つを整理します。

グループホームは「認知症の人が5〜9人で暮らす家」です

グループホームは、認知症の方が少人数で共同生活を送る住まいです。1つの生活単位をユニットと呼び、その定員は5人から9人と決められています。1つの事業所が持てるユニットは原則1〜2つ、用地の確保が難しい場合などに限って3つまでです。つまり、ひとつのホームで暮らすのは多くても18人前後ということになります。

施設というより、家に近い作りだと考えてください。入居者は個室を持ちながら、居間や食堂、台所を共有します。職員と一緒に食事の支度をしたり、洗濯物をたたんだり、買い物に出たりと、それまでの暮らしの延長にある行為を続けることが、そのままケアになっています。

職員の配置は、日中は入居者3人に対して介護職員1人以上、夜間はユニットごとに1人以上の夜勤者です。管理者には3年以上の認知症介護の経験が求められ、ユニットごとに計画作成担当者が置かれます。認知症のケアを前提にした人の配置になっているのが特徴です。

入居できる人の条件は3つあります

グループホームには、はっきりした入居条件が3つあります。

【1】認知症の診断を受けていること。医師の診断が必要で、自己判断や家族の見立てでは入居できません。ただし認知症の原因となる疾患が急性の状態にある方は対象外とされています。

【2】要介護1以上であること。要支援2の方は「介護予防認知症対応型共同生活介護」という別の枠で利用できます。要支援1の方は対象になりません。

【3】施設と同じ市区町村に住民票があること。グループホームは地域密着型サービスに分類されており、原則としてその市区町村の住民のみが利用できます。

この3つ目が、冒頭で触れた「他の施設にはない大きな条件」です。

隣の市のホームには、原則として申し込めません

特養や有料老人ホームは、市外・県外の施設にも申し込めます。実際、住まいブリッジをご覧になる方も「実家の近くだけでなく、自分が住む市でも探したい」という形で候補を広げていかれます。

ところがグループホームは違います。地域密着型サービスは、住み慣れた地域で暮らし続けることを目的に作られた仕組みで、その市区町村が指定し、その市区町村の住民が使うことを前提としています。ご本人の住民票がA市にあれば、原則としてA市のグループホームにしか申し込めません。

ここでよくあるのが、「親を自分の家の近くに呼び寄せたい」というケースです。この場合は先に住民票を移す必要がありますが、住民票を移せば介護保険の手続きも移動先が窓口になり、要介護認定の引き継ぎも発生します。順番を間違えると空白期間ができるので、動く前に両方の市区町村の窓口へ相談してください。

なお、市区町村が認めた場合に他市の住民の入居が可能になることもあります。実際の扱いは自治体によって違いますので、諦める前に一度確認する価値はあります。

特養・有料老人ホームと、どう違うのか

3つの軸で比べると違いがはっきりします。

【入れる人】グループホームは認知症の診断が必須で、要介護1から。特養は原則要介護3以上(認知症で日常生活に支障をきたす症状が続くなど、やむを得ない事情があれば要介護1・2でも特例入所の対象になります)。有料老人ホームは自立から要介護まで、ホームごとに幅があります。

【お金の考え方】グループホームは家賃・食費・光熱水費などを全額自己負担し、そこに介護サービス費の自己負担分が乗ります。入居時にかかるお金は敷金や保証金という形で、有料老人ホームの入居一時金ほど高額になることは多くありません。特養は所得に応じて食費・居住費が軽くなる負担限度額認定が使えますが、グループホームはこの認定の対象外です。ここは費用を見積もるうえで見落とされやすい点です。

【暮らしの作り】特養は介護を受ける施設としての性格が強く、有料老人ホームはサービスの幅が広い分ホームごとの差が大きい。グループホームは、できることを本人にやってもらう生活が中心です。人数が少ないぶん職員が一人ひとりを把握しやすく、環境の変化に弱い認知症の方には過ごしやすい構造になっています。

向かない場合も、正直に書きます

グループホームがすべての認知症の方に合うわけではありません。次のような場合は、別の選択肢を検討したほうがよいことがあります。

医療的なケアが重い方。たん吸引、経管栄養、インスリン注射、在宅酸素などが必要な場合、対応できるかはホームによって大きく異なります。看護職員の配置は義務ではないため、医療体制は個別に確認が必要です。

寝たきりに近い方。グループホームは「できることを続ける」ことを前提にした設計なので、全面的な介助が必要な状態になると特養のほうが適していることがあります。

認知症の診断がない方。物忘れが増えたという段階では入居できません。まず受診が先になります。

そして、入居後に状態が変わった場合です。重度化や長期入院を理由に退去を求められることがあります。どういう状態になったら退去になるのかは契約書と重要事項説明書に書かれていますので、契約前に必ず読んでください。

申し込む前に必ず確認したい5つ

【1】ご本人の住民票がある市区町村のホームか。候補を集める前に、まずここで絞り込みます。

【2】認知症の診断書は用意できるか。どの様式が必要か、かかりつけ医で書いてもらえるかを早めに確認します。

【3】夜間の職員体制。基準はユニットごとに1人です。18人規模のホームなら夜間は2人。夜間の見守りをどうしているか、緊急時に誰が来るのかを見学時に聞いてください。

【4】退去を求められる条件。重度化、医療的ケア、長期入院、他の入居者への影響。どこが線引きになっているかを具体的に確認します。

【5】費用の内訳と、自治体の家賃助成の有無。負担限度額認定が使えないぶん、家賃助成の制度を独自に持っている市区町村があります。窓口で必ず聞いてください。

探している間、在宅がいちばん重くなります

グループホームは1ユニット9人までという小規模なサービスです。地域によっては空きが出るまで待つことになりますし、住民票の要件があるぶん、候補そのものが限られます。

その待っている数か月が、ご家族にとっていちばん重い時期になります。日中の見守り、夜間の徘徊、通院の付き添い、目を離せない時間。介護保険の訪問介護には区分支給限度基準額があり、必要なだけ回数を増やせるわけではありません。役所や銀行への同行、長時間の見守りといった内容は、そもそも介護保険では頼めません。

そこを埋めるのが、介護保険を使わない自費の介護サービスです。「入居先が決まるまでの数か月だけ」「家族が仕事を休めない日だけ」といった使い方ができます。24時間対応のサービスであれば、夜間が不安な時期を乗り切る手段にもなります。

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まとめ

グループホームは、認知症の方が5〜9人で暮らす小規模な住まいです。認知症の診断があり、要介護1以上(要支援2は予防給付)で、そして施設と同じ市区町村に住民票があること。この3つが揃って初めて申し込めます。

特養より入りやすい一方で候補は限られ、負担限度額認定が使えないぶん費用の見え方も変わります。医療的ケアが重い方や寝たきりに近い方には向かないこともあり、重度化で退去になる場合もあります。

候補を集める前に住民票の市区町村で絞り込むこと、そして見学のときに夜間体制と退去条件を必ず聞くこと。この2つを押さえておけば、申し込んでから断られる遠回りを避けられます。

よくある質問

Q. 認知症と診断されていませんが、物忘れがひどくなってきました。申し込めますか。

A. 申し込めません。グループホームは医師による認知症の診断が入居の条件です。まずはかかりつけ医に相談し、必要であれば物忘れ外来や認知症疾患医療センターの受診を検討してください。

Q. 私が住む市のグループホームに、実家の親を入れたいのですが。

A. 原則としてご本人の住民票がその市区町村にある必要があります。呼び寄せる場合は先に住民票を移すことになりますが、介護保険の手続きも同時に動きます。順番を誤ると空白期間ができるため、動く前に転出元と転入先の両方の窓口へご相談ください。市区町村が認めて他市の方が入居できる例もあるため、諦める前に確認する価値はあります。

Q. 特養に申し込みながら、グループホームも同時に申し込めますか。

A. できます。特養の入所申し込みとグループホームの申し込みは別のものです。認知症の診断があり要介護1以上であれば、両方を並行して進めて構いません。ただし住民票の要件があるため、グループホーム側は候補が限られます。

Q. 入居した後、体が弱ってきたらどうなりますか。

A. ホームによって対応が分かれます。看取りまで対応するホームもあれば、医療的ケアが必要になった段階や長期入院を機に退去をお願いするホームもあります。どこが線引きなのかは重要事項説明書に書かれていますので、契約前に必ず確認してください。

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住まいブリッジでは、愛知県西三河地域と岐阜県の高齢者施設を、広告費の多さではなく条件から探せるようにしています。地域や施設種別から候補を絞り込んで、見学のご相談にお使いください。

※本記事の内容は2026年9月時点の制度にもとづく一般的な情報です。入居条件の運用、他市区町村の方の受け入れ可否、家賃助成の有無は市区町村によって異なります。医療的ケアへの対応や退去の条件はホームごとの契約内容によって異なります。実際の手続きは、お住まいの市区町村の窓口と各ホームへ直接ご確認ください。

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